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2007年07月23日

EUバブルって何?

「京都議定書に向けた主張2」でEUの主張を扱いましたが、なぜ、EUはひとつの単位にまとまることが出来たのでしょうか?

EUは様々な国内事情を抱えており、温室効果ガスの削減目標もそれぞれ異なっています。1990年を基準にした2012年までの削減目標値は最高でルクセンブルクの30%減であり、最低はポルトガルの40%増でした。
それぞれが、国内事情に配慮し、域内の経済不均衡を極力縮めて通過統合をやりとげたいとする政治的かつ経済的思惑が見え隠れしています。
※そもそも、削減目標の減は分かりますが、増っておかしいですよね…。これこそが排出権(排出枠)取引の策略としか思えません。

京都議定書に向けた主張では、EUは域内の複数の国をひとくくりにし、一つの単位として取り扱うことを主張し、域内では15%の削減を実行するというものである。と同時に、域外に対してもの15%の削減を求めていきました。

この削減目標の設定において、EU域内には差別化を認める一方で域外に対しては一律削減を求めるアプローチのことをEUバブルと言います。

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このEUの方式(EUバブル)は、交渉のなかでは一つの争点となりました。
それは、このEUバブルというのがEU域内における一種の排出権取引とみることができるからです。

排出権取引とは、国内の削減目標に達成できない場合に、排出枠に余裕のある国からこれを買い取って目標を達成しようとするものです。

上述にも示した通り、EU域内ではルクセンブルクとポルトガルのような国々もあり、EU域内では金銭の取引は伴わないが、互いに排出枠を融通すうことができるため、一種の排出権取引とみなすことができるのではないでしょうか。

そもそも排出権取引には2つの形態があります。一つは内部的排出権取引であり、例えば一つの会社内の部門間で行われるような形態や、ある一定地域内で行う形態です。つまりEU域内で行う取引もこれに当たります。そして、もう一つは企業間や締約国間で行われる外部的排出権取引(現在、話題に上っている方)です。

両者の違いは金銭的なやり取りの有無であり、内部的排出権取引においては金銭の授受を伴わないものが通例となっています。(※ちなみに、日本はアメリカの主張する排出権取引(外部的)には賛成の立場であったが、EUバブルに対しては反対の姿勢を示しました。)

EUバブルとは、EU域内の経済的不均衡を解消する方法の一つであり、もっと言えば、市場維持のための政策であったと思われます。そして、この政策はアメリカが作り出す国際市場への対抗策であり、言い換えれば市場の覇権闘争とも言えるのではないでしょうか。
(参考;EUの歩みに見る「市場拡大維持のための国家の再編過程」


お付き合い頂きありがとうございました m(_ _)m

<参考文献>
 ・「京都議定書」再考!/江澤誠/(株)新評論
<参考サイト>
 ・通商産業省-地球温暖化とCOP3に関する疑問(Q&A)-

by 村田頼哉

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国益派は誰だ?(食糧編) from Trend Review

こんばんは~ :m017: 明日は選挙です :m179: 日本が危ない :cr...

comments

 村田さんの議論は、COP3当時の通産官僚の近視眼的な見方をそのまま移してきたもののように見えます。

 実際には欧州は域内排出権取引市場(EU-ETS)を2005年から立ち上げて、各国の削減目標を国内企業に初期割当し、企業間での(外部?)排出権売買の仕組みを立ち上げたわけですから、EUバブルが「内部的排出権取引」の仕組みだなんて話は後になってみればデタラメな解説だと分かるものです。

 実際には、EUは一つの経済として統合する中で、京都議定書と相似形の、各国への初期割当量をEU内の討議によって自由に決める権利をEU全体として保持した、ということでしょう。

京都議定書のキャップ&トレードスキームそのものをミニチュア化したものが、EUバブル+EUETSである、と言えるでしょう。

  • SGW 2007年07月24日 05:04

> SGWさん
コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、確かにEU-ETSを見れば、域内ではなるが金銭の授受を伴っていますし、外部排出権取引と見なすことは出来ます。
これは、京都会議に向けた主張と京都会議を終えた以降でのシステム変化であると言えます。

京都議定書で排出権取引の導入を認めたため、
>京都議定書のキャップ&トレードスキームそのものをミニチュア化したものが、EUバブル+EUETSである、と言えるでしょう。<
となったのでしょう。

また、京都議定書において、国別温室効果ガス削減率はEU域内の国は一律8%減とされています(※EU加盟国内の削減率は別途、EU内部での交渉の結果決まっています)。

これが、
>実際には、EUは一つの経済として統合する中で、京都議定書と相似形の、各国への初期割当量をEU内の討議によって自由に決める権利をEU全体として保持した、ということでしょう。<
ということになるでしょう。

しかしながら、他の削減義務を負う国からすれば、EUを一括りとして8%減を達成したかどうかが問題になり、EU域内の個別の国が達成されているかどうかは関係ない、という見方になってしまうのではないでしょうか(もちろん、EU域内ではEU-ETS内で完結しますが…)。

私自身は排出権取引そのものについては疑問を持っていますが、仮に排出権取引がEUを含めた全世界的に行えば、もう少し効率化できるのでは?と思っています。

ですから、EU域内に限った排出権取引(EU-ETS)というのは、EU域内の経済的不均衡を解消する方法であると共に、アメリカなどを意識した政策であると思います。
それ故に、地球環境を守るという大義名分として掲げながらも、結局は経済、市場に絡めとられているのが実態ではないでしょうか。

  • yoriya 2007年07月24日 23:33
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