2007年08月14日
発電機関としての原子力は優れたエネルギーシステムか?
つい一ヶ月前の中越沖地震に於ける柏崎原子力発電所の被害状況が明らかになるにつれ、本当に大事故につながらなくて良かったと思いましたが
、みなさんはどう思いましたか?
柏崎発電所は、原子炉7機を抱える世界最大級の原子力発電施設です。
中越、輪島沖、中越沖と、このところの地震の発生状況をみると、どこで大地震が起こっておかしくない状況の中で、原発は、それほどの危険を冒してまで推進する価値のあるエネルギーシステムなのでしょうか?
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原子力発電は、熱機関としてみると、原子炉で蒸気を作りこれでタービンを回し発電するという、産業革命以来の古典的な外燃式蒸気機関です。
熱効率は33%前後で、投入されるエネルギーの1/3だけが電力となり、残りの2/3は温排水として海に捨てられます。
日本全体のエネルギー収支は、投入される1次エネルギーの約40%が発電のために消費されるので、原子力発電は決して熱効率の良いシステムとは言えません。
また、廃熱は日本が消費する1次エネルギーの27%に達し、このエネルギーは日本に輸入される石油の総量の半分にまで達します。
図はhttp://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=209&bflg=1&serial=10297より引用
つまり、大量のエネルギーが無駄に捨てられている、ということです。
さらに、日本の電力の1/3は原子力で賄っていることになっていますが、これはあくまで発電量であり、消費量とは異なります。
どれだけの発電設備が必要かは、消費量ではなく、最大需要電力で決まり、現在、火力発電と水力発電の発電能力はその90%を超えており、不足分は全体の10%程度に過ぎません。
にもかかわらず、原発の発電量が1/3もあるのは、どういうことでしょうか?

図はhttp://trust.watsystems.net/ecoice.htmlより引用
電力の消費量は1日のうちでも大きく変動し、午前四時頃に最小電力、午後二時頃に最大電力に達し、最大電力は最小電力の2倍に達します。
しかし、原発の出力は需要に応じて変化させることができません。従って、原子力は深夜の最小電力以下の電力、これをベースロードと言いますが、これを超える電力を生産することができないのです。
つまり、原発はベースロードでフル稼働させておいて、昼間の変動部を火力と水力で調整するという運用によって、この1/3の発電量が維持されているのです。
この結果、火力は原子力の3倍近い発電能力を持ちながら4割前後しか稼動しないことになっており、にもかかわらず、新たな原子力発電所の建設と、使わない設備の維持管理費に、我々庶民は高い電力費を払い続けているのです。
CO2を出さない原子力は地球環境にとって優れたエネルギーシステムであるという大キャンペーンの下に、無駄な投資と運用効率の悪い融通の利かないシステムを推進し続ける国や電力会社、或いは学者たちの行為は、殆ど詐欺に近いのではないでしょうか!
- by simasan
- at 02:22


comments
そもそも、原発に限らず、発電所ってこんなに必要なんでしょうか?なんで、こんなに乱立するようになったんだろう?
先日、テレビのニュースで、この夏、東京の消費電力が供給可能量ギリギリまで達しているとやっていました。
原因は猛暑と柏崎原発の停止とのこと。
ニュースからは、「原発一基止まると、供給はギリギリ」という、発電所のさらなる必要性を言われているように感じました。
でも実際は、火力と水力発電をちゃんと動かせば、原発を増やさなくても、むしろ減らしてもちゃんとやっていける。
『CO2のために原発を』と言われていますが、今あるのをちゃんと使わず、新しい発電所をつくって環境にいいって言うのって、オカシイですよね
かっし~さん、こんにちは
電力会社は、電力の供給は限界に達していると言っておきながら、家電製品や熱源に精力的に電化を推し進めているのも、自己矛盾ですよね。
エネルギー政策の背後にどんな力学が働いているのか、これからも追求していきましょう!