2008年06月07日
水の特徴、物性を探る。その4 打ち水すると涼しくなるのはなんで? ~気化熱と水の特性~
暑くなって来ました~
夏もまじかですね。
水の特性の4回目です!

ところで、みなさんは打ち水ってご存知ですか?
家の前や庭をきれいに掃除した後に、水を撒く習慣のことなんですけど、
最近は生活スタイルも変わって、打ち水を見かけることもめっきり少なくなりました。
打ち水には、埃を抑える効果と涼気をとる効果があるので、
冷房のない時代には、暑い日を涼しく過ごす為の知恵でもあったんです。
ところで、打ち水するとどうして涼しくなるのでしょう??
みなさんは子どもの頃、お風呂あがりに
「はやく体拭かないと風邪引くよ。」
って、言われませんでしたか?
実際、拭かずに濡れたままでいると、どんどん体が冷えていきますよね。
「クション!」
「ホラホラだから言ったでしょ!早く体を拭きなさい!」
・・・どうして寒くなるのでしょう?
そう、それは水の気化熱の成せる技なんですよね。
気化熱とは、液体が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。
液体が蒸発するためには熱が必要で、
その熱は液体が接しているものから奪って蒸発します。
だから体が濡れていると、表面の水滴が体温を奪って
蒸発するから寒くなるのです。
打ち水をすると涼しくなるのも、同じ気化熱の仕組みですね。
撒いた水が蒸発することで熱を奪って、気温を下げる効果があるからで
決して、冷たい水をまいたから温度が下がるというわけではないのです。
ちなみに水の気化熱:水1gの蒸発につき約0.58kcalの熱が奪われます。
例えば80℃の100CCの水から1CCの水が蒸発すると、
なんと5.9℃も温度が下がる計算です!
熱いお味噌汁をフーフーすると、飲みやすくなるのも、
こういった仕組みが働いているからなんですね
◎水の気化熱の特性
気化熱は液体が気体になる時にはどんな物質でも発生するのですが、
気化熱の領域でも水は変わった物質として存在しています
水を含む種々の液体物質の気化熱(蒸発熱)

表を見ると、液体酸素や液体窒素、水銀を含めて、一般に液体の沸点における気化熱が
数百のオーダーなのに、水は2250と水の気化熱が異常に高いことが分かります。
つまり、水は蒸発しにくい液体である一方、蒸発する時には異常に熱を奪う物質なのです。
昔の人は凄いですよね~。気化熱を知らなくっても
水の特性をちゃんと生活に取り入れてるんですから
近年、そういった水の性質と習慣の有効性が見直されてきています。
都会のヒートアイランド対策として、積極的に打ち水を行う団体や活動
が増えているようです
①打ち水大作戦 → リンク
全国的規模で、開催された打ち水大会です。
②汐留で打ち水実験、最大8度も → リンク
都の主導で行われた、大規模実験の模様です。
ところで。実はこの打ち水と同じ仕組みが、私たちの体にもあるって知ってました?

その仕組みとは、夏にはお馴染みズバリ汗!
大量に熱を奪う水の気化熱を利用しつつ汗腺で蒸発量を調節して
体の中の温度を一定に保っているんですね。
恒温動物哺乳類の中でも、最も汗腺が発達している人類は、
特にこの水の気化熱の仕組みを体全体に取り入れています。
詳しくは、このブログの過去エントリーを見て頂くこととして(笑)→リンク「③自然の摂理:汗はヒトを守る」
昔の人も凄いけど、
人間の体もか・な・り・凄い!!
・・・水の話に戻します。
人間の体は水の特性のひとつを温度調節につかっています。
もしかすると同じ仕組みが地球全体でも働いているかも!?
次回はその辺を探ってみたいと思います。
お楽しみに
- by kasahara
- at 16:32


comments
>つまり、水は蒸発しにくい液体である一方、蒸発する時には異常に熱を奪う物質なのです。
ということは水蒸気は普通の物質より熱を抱えられるということなんですか?
これが温室効果ガス97%が水蒸気である理由なのかな?
うーん、気化熱というのは知っていたけど、水が他より異常に多くの熱を奪うというのはびっくりした。
何で???
打ち水は、埃を抑える効果だけじゃなくて、思った以上に涼気をとる効果もあったんですね。道が舗装され、建物も高層化され、クーラーが行き渡った現在では、打ち水をする人が少なくなってしまったのは、ある意味仕方ないのかもしれませんが、ちょっと寂しい感じがしますね。
私がよく訪れる湧き水で有名な山あいの町では、家の前にとうとうと流れる水をいろんな形で利用しています。飲料水、野菜洗い、洗濯、車を洗ったりもします。そして夏の日はどの家も打ち水をする姿が見られます。道路は舗装されているけど、常に路面はぬれていますね。おかげで夏でもここはエアコン要らず。水路は毎朝町の人が自主的に掃除をしていて、みんなの共有財産である水を贅沢にかつ大切に使っているんだなぁと感心しました。
なんとなく今まで聞いてたこと、知ってたことがすごくつながった!っていう感じがしました☆
水野惑星とも言われる地球全体の温度調節がどうなっているか、続きに期待です♪
0524さん、hihi さんコメントありがとうございます!知れば知るほどに何で?が出てくる水の性質!ホントにふしぎな物質ですよね♪
・水蒸気は普通の物質より熱を抱えられる?
・水が他より異常に多くの熱を奪のは何で?
この御二方の疑問については、実はちょっと難しい水素結合のお話になります。今後このシリーズで、より詳しくその構造に迫る予定ですのでどうぞ楽しみにしていてください♪
ぐるぐるどっか~ん! さん、コメントありがとうございます!
本当ですね。
住むということが、都会の生活では地域性や協働性とは縁のない個的生活として完結してしまいます。涼むと言う行為も、1人でクーラー 、スイッチポン。でも、自然の摂理をみんなが学んで、生活に取り入れていくと、地域性や協働性が必ず必要な生活になっていくんじゃないかな。って思います♪
finalcutさん、コメントありがとうございます!
みんなの資源をみんなで大切に使う♪って、素晴らしいですね。私の田舎もそうですが、本来、圧倒的な自然の中で生活していると、郷土の自然や恵みに対する感謝や尊敬の念は、そこで生活する人々の中に自然と生まれるものでもあるような気がします。
春風さん、コメントありがとうございます!
そう言って頂けると、とっても励みになります♪これからも期待に沿えるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!
暑い夏の京都なんかでも打ち水は昔から行われていたようです。
京都の町屋は奥に中庭があるスタイルが多いのですが、家先に打ち水をする事で家先と中庭に温度差ができ風の流れが生まれる、といった効果もあったと聞いたことがあります。水って色んなところで欠かせないものですね~
打ち水や、湯冷め、お味噌汁ふーふー、汗などなど・・・
こんなにも、いろんなことに沢山の秘密が隠されていたとは驚きです!!
こういったすごいご先祖様たちの知恵も、人々の快美欠乏や近代化のために、なくなったり、煙たがられるのは残念ですね・・・
nannokiさん、コメントありがとうございます!
日本の生活の知恵には、水の性質を上手に取り入れたものが本当に多いですよね♪自然の摂理を理解して、工夫すれば、実は本当は生活に必要なエネルギーって、ほんの僅かで済んでしまうのではないかと思うこの頃です♪
らむ☆さん、コメントありがとうございます!
ご先祖様たちの知恵が、消えていくてって本当に残念な事ですね。個人がバラバラに好き勝手に生活していることが、環境問題の一番の原因かもしれません。いろんなつながりの中で私たちは生きている事を、勉強しながらこのブログで伝えていけたらと思います!
気化熱を利用した熱冷ましとか、
空調装置なんていうのもありますよね~。