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2008年11月08日

地球環境の主役~植物の世界を理解する~④植物の地球開拓史その2 地上進出、動物の生息圏づくり

植物は、約4億年前に、地上に進出しました。 
 
植物がまず地上に進出し、その植物を餌とする虫(昆虫類)が続きます。
そして、植物・昆虫類を餌とすることで、やっと、脊椎動物(両生類、爬虫類、哺乳類)が地上進出できました。
 
 
今回は、植物の地上進出に焦点を当ててみます。 
 
地上進出した植物は、つくしんぼ・スギナようなもの(車軸藻)といわれています。 
 
20070406-01.jpg 
(ツクシとスギナ。ツクシはスギナの胞子体です。) 
 
まず、海の中から始めましょう。真核藻類ですね。(前回を参照) 
 
藻類は、最初は海中や海面を漂っていました。 
 
藻類の中から、海底に根を生やし、光合成機能をもつ茎、葉っぱを伸ばすタイプが登場します。
(コンブや海草類をイメージして下さい。) 
 
では、何故、コンブや海草類は根を生やしたのでしょうか? 
 
ここに、地上進出の鍵がありそうです。 
 
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海に潜ると分かるように、海面が波で荒れている場合でも、数メートル下の海中は静かですね。 
 
生物一般の原理として、種が生存するには、1つの個体が単独でいるだけでは無理です。種の集団が一定範囲の中で生育していることが必要です。
集団が風と波の力でバラバラにならないように、海底に根を生やし、安定した棲息圏を作り上げます。 
 
これが、固着性(根を生やす)の藻類です。 
 
固着性の藻類が、浅い海に繁殖していきます。当然ながら、汽水域から上流の淡水域にも広がっていきます。 
 
この汽水域、淡水域は、一方では、固着性藻類にとっては、危険域です。 
 
雨が降らないと、淡水域は干上がり、汽水域の水位は下がってしまいます。干上がり、水位が下がると乾燥状態になりますが、根を生やして固着していますので、水のある所まで移動は出来ません。 
 
干上がり、水位が下がり、乾燥という外圧状態に置かれます。しかし、水中植物である 藻類は周りに水がたっぷりあるので、乾燥に対処する機能はもっていません。 
 
汽水・淡水域の藻類にとって、絶滅の危機です。 
 
この乾燥危機を凌ぐ機能を獲得した藻類が、地上性の植物の始まりです。 
 
どんな機能を獲得したのでしょう。 
 
一瞬、考えてみてください。 
 
 
 
 
 
①水分蒸発を抑える防護機能。細胞表面から水分蒸発しないように、堅い防護幕(リグニン層)で細胞を覆う。 
 
②土からの水分吸収機能。固着している根っこが、土中の水分を吸収できるように機能変化する。 
 
③水分の運搬機能。根が吸収した水分を、光合成する茎(葉)に届ける仕組み・機能。(専門的には導管に発展する機能)。 
 
④補足機能。リグニン層で防御しすぎると、空中から炭酸ガスを取り入れることができないので、気孔という小さな穴をあける。 
 
これだけの機能獲得をして、藻類が地上進出してくれたので、動物達が地上に進出することができたのですね。 
 
なお、淡水域の藻類は、海と塩分濃度の違う淡水に適応するため、細胞表面に水調整機能をある程度獲得しています。この調整機能を何とか高度化して、乾燥適応したのではないかと考えられます。 
 
地上進出した原始地上植物の幾つかを最後にあげておきます。
4億年前のシルル紀、デボン紀の化石復元図です。 
 
pripl001.JPG pripl003.JPG pripl004.JPG 
 
左から、スポロゴニテス(10cm程度)、ライニー植物、クックソーニア。先端の膨らんでいるのは胞子の袋です。 
 
原始地上植物で気付くことは、まだ、葉っぱの形状を持たないことですね。茎状の部分で光合成を行っていた。
そして、繁殖は、胞子という方式です。
 
我々が良く知っている、根っこ、茎・幹、葉っぱ、実と、高度に機能分化した植物は、原始地上植物から更に進化した形態です。 
 
それについては、次の機会に扱いましょう。 
 

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comments

「根」が地上に進出する条件だったということでしょうか。
なんとなく、藻がそのまま地上に上がって苔みたいなのに進化したように思ってました。
確かに、水中と地上では、いかに水を吸い上げるかが決定的に違うのですね。

  • hihi 2008年11月08日 18:43

汽水域、淡水域への進出が、進化の上で重要なポイントの一つのように思いました。より外圧の高い状況に置かれたものから、外圧に適応して進化していくということなんですね。
藻類が陸上へ進出していく時の、陸上側の様子は、どんな環境状態だったのでしょうか?水中に比べ、より外圧の高い陸上という場所に広がっていく、植物にとってそれほど魅力的な環境が陸上に備わっていたということなのでしょうか?
次回以降のエントリーに期待大です!!

  • うっかりペネロペ 2008年11月08日 22:39

hihiさん、いつもコメントありがとう。

確かに、土中から水を吸収するのが大変ですが、空気中の炭酸ガスを取り込み、光合成する機能と水の蒸発を防ぐ機能を両立させる所が焦点のように思います。
分子レベルの炭酸ガスが通過できるということは、分子レベルの水がドンドン逃げていくことですから。

  • leonrosa 2008年11月09日 22:31

うっかりペネロペさん、コメントありがとう。

シルル紀、デボン紀の初期の地上は、表面が岩石や土の堆積層です。

太陽光は、何の影もなく地上に降り注いでいた。
また、炭酸ガスの濃度は、現在よりもずっと高い。もちろん、海中よりもずっと炭酸ガスの豊富な環境でした。

水中よりも太陽光のエネルギーが大きく、光合成の材料である炭酸ガスも豊かであった。

地上の外圧に適応できれば、植物にとって、大きな可能性が開かれる環境であったと想像できます。

本文に書こうかとして、つい落としてしまった視点です。

ありがとう!

  • leonrosa 2008年11月09日 22:41

原始地上植物って棒のようなものばかりなのですね!
>茎状の部分で光合成を行っていた。
ってすごいです!!

なんで葉っぱを作り出す必要があったのでしょうね??
重力に耐えるの大変そうです。

また続きも楽しみにしていまーす☆

  • ぐりとくま 2008年11月12日 23:30

ぐりとくまさん、コメントありがとう。

なんで葉っぱを作り出したのか?

重力に耐えて、上の上に伸びていく地上性植物のお話は、今後の楽しみにとっておきますね。

で、次回は、水中での葉っぱと上へ上へ伸びる話になるかも知れません。

  • leonrosa 2008年11月13日 15:01
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