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2009年08月31日

リサイクルの本質を考える(7)~廃棄物問題の歴史(明治・大正・昭和)~

今回は、前回のシリーズ投稿(リンク)で問題提起した


①糞尿がゴミ扱いされ出したのはいつ頃か?
②糞尿利用ができなくなったのは何で?
③昭和初期から廃棄物処理法制定までのゴミ問題、廃棄物問題の変遷
④ゴミに占める汚泥(糞尿)割合はどのようになっているのか?

のうち、今回は


 ③昭和初期から廃棄物処理法制定までのゴミ問題、廃棄物問題の変遷


を扱うことにします。


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(1)ゴミに関する法律の変遷


まずは法律の変遷を、時代をおって見ていきましょう。(参考:「日本廃棄物政策の歴史」、「ごみ処理行政の移り変わり」)


【明治後期】 「汚物掃除法の施行」(1900年、明治33年)


:周期的に大流行するコレラ、そしてペストの上陸に、明治政府は頭を抱えていました。そして都市の衛生を維持するための対策として、明治33年、汚物掃除法が制定されました。これによって「ごみはなるべく焼却する」という政府の方針が打ち出され、自治体がごみ処分の管理義務を負うことになりました。この方針は現在まで引き継がれることになります。行政の行なっているごみの焼却処分の根拠というのは、主として衛生上の問題であるというわけです。


【昭和初期】 「汚物掃除法の改正」(1930年、昭和5年)


:汚物掃除法がつくられても、焼却炉の建設には経費がかかり、焼却炉からのばい煙や臭気を抑える技術も発達していなかったため、焼却法は簡単には普及しませんでした。しかし国の殖産興業政策の中で自治体にある程度の財政的余裕が生まれてくると、国は汚物掃除法を改正します(昭和5年)。そして、ごみ処理に関する自治体にの義務責任をより一層強くし、ごみの焼却を自治体に義務化したのです。こうして処理場や処分場が各自治体に普及するにつれて、ごみ処理が行政サービスとして定着していったようです。


【昭和中期 戦前・戦後】  「汚物掃除法の廃止」と「清掃法の制定」(1954年、昭和29年)


:戦時中は人手不足で収集がうまくいかなくなり、また物資が不足していたこともあって行政側も積極的に減量運動・再利用運動に乗り出していました。戦争がおわるころには焼却場は空襲で破壊されたり、他の工場や畑などに転用されたりしていたので、ほとんど元の姿とどめていませんでした。そのため都市の衛生状態も極めて悪いものでした。
 戦後はまず占領軍によって処理施設復旧の司令が出されました。しかしその後のごみの急激な増加のために、処理場建設その他の費用を地方財政だけではまかないきれないという問題が出てきました。そこで戦前から引き継がれてきた汚物掃除法が廃止され、昭和29年、新たに清掃法が制定されて、ごみ処理のために国から補助金が出るようになりました。


【昭和後期 高度経済成長→豊かさ実現の時代】 「清掃法の改定」と「廃棄物処理法を公布」(1970年、昭和45年)


高度経済成長を背景にごみの増加率も高くなり、特に産業廃棄物の量は家庭ごみを上回るまでになりました。そこでごみの質・量の変化や、無視できなくなった産廃に対処するために、昭和45年、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が制定されました。


(2)ゴミの中身の変遷


では次に、各時代における、ゴミの中身の変遷を見ていきましょう。
環境省によってわかり易くまとめられた表があるのでご覧ください。(「平成13年版 循環白書」)



【明治から高度経済成長期 ~汚物掃除法・清掃法の時代~】


:家庭から排出されるゴミのほとんどが生ゴミで、紙類・金属類・ガラス類は古物商による回収ルートが形成されており、ゴミとしてはの排出は少なかったようです。また、プラスチックは家庭生活にほとんど入っていないためゴミとしての排出はなく、家具等も再使用されており、粗大ゴミはほとんど排出されない状況だったようです。


【高度経済成長期以降 ~廃棄物処理法の時代~】


:経済発展に伴いゴミの中身も大きく変化します。
大量生産大量消費社会が登場したことにより、今まで回収されていた紙類・金属類・ガラス類はその回収比率が大きく下りました。生ゴミは家庭以外でも発生し、外食産業やスーパー等の小売業からの事業系生ゴミ大量に排出されるようになりました。容器包装に見られるように家庭生活でもプラスチック製品が大量に入りこむようになり、プラスチック類大量に排出されるようになりました。家電製品をはじめとして多種多様な製品が、粗大ゴミとして大量に排出されるようになりました。


(3)まとめ


法律とゴミの中身の変遷を見ていくと、始まりは伝染病を予防するための事業の一環で、発生するゴミの種類・中身に対応する形で法整備が進んでいったことがわかります。


で、よくよく見てみると、実は「リサイクル」なんて、高度成長期までは、普通にある程度実現されていたということもわかります。


大量生産大量消費による増加回収しきれなくなったゴミ回収がコスト的に合理的でなくなったゴミについて、その処理を制度化し、正当化する法律が、現在の「廃棄物処理法」であるとも言えるのかもしれません。


次回は、現状のゴミの実態について、具体的に掘り下げて考えていくことにします。

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