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2010年03月01日

『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性  1.藻類の中に油脂成分を大量に生成する種類を発見 ~何故、油脂成分を貯めこむのか~

みなさん、こんにちは Surprised   
新シリーズ、「水生圏の可能性」第一回目。
 
今回は、藻類の中に油脂成分を大量に生成する種類の発見の歴史、そして、何故藻類が油脂成分を貯めこむようになったかに迫りたいとおもいます Shocked
 
1313.jpg
 
↑Macro Algae(大型の藻)の開放池方式(GGASS社)
写真はココからお借りしました♪
 
まず初めに、みなさん『藻から油』なんてつくれるの Rolling Eyes m052 m052 m052
最新の研究なの m052 m052 m052
とおもわれるかもしれませんが、実はこの研究、なんと1970年代から行われているのです。
では、この続きに進む前にいつものポチット応援よろしくお願いします m029

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m147 1.原油枯渇の危機感から藻類の可能性を発見 m146
 
米国において、国内の原油生産がピークアウト(下降)しだした1970年代、一部の研究者が原油に代わるエネルギー源として、生物界の可能性探索に入りました。
中東産原油への依存は、米国にとって他国依存の危機であるとの考えから、カーター政権下において、全てのエネルギー関連省庁が統合され、エネルギー省がつくられました。
そして78年、カーター大統領による研究計画が本格的にスタートし、エネルギー省から多額の開発予算が投じられるようになりました。
 
この探索で発見されたのが、単細胞光合成生物の『藻類』なのです。
この計画は「Aquatic Species Program」と呼ばれ、バイオディーゼルを藻類からどのようにしたら作り出せるかとスタ-トしたものです。

1414.bmp
 
写真はココからお借りしました♪


ステップ①:脂質含有量の多い藻類種の発見
原油は、大昔の微生物(藻類)の生成物(及び死骸)だと確認されています。その生残りが居るはずだと藻類の探索が行われました。
科学者達は、3,000種以上の北アメリカ産のサンプル種を収集しました。そこからさらに油脂の含有量の多い51種を選別しました。
※ちなみに2004年に全米科学財団補助金が打ち切りとなり、今では23種しか現存していないのです。
 
ステップ②:脂質含有量を増やす方法の研究
もともとこの研究は、今まで利用してこなかった池水系の環境資源の有効利用にも、一役買えないかと注目されてきた分野でした。ニューメキシコ州ロズウェルに1,000㎡の人工池をつくり繁殖の研究が行われていました。
最終的には、同池から50[g/日]の収穫が達成されるようになりました。
 
研究開発は1996年に中止となり、研究グループは再生エネルギー研究所となり、1998年にはレポートに結論をまとめて、終結されたのです。
彼らの基礎研究により、油脂含有量の多い藻の優良株(有望な種類)が見出され、現在の開発研究につながっていきます。
  
 
m147 2.藻類は3万種もいる光合成生物 m146
   
では、『藻類』とは何かについてみておきましょう。

1616.jpg

図はココからお借りしました♪
 
まず、藻類とは、単細胞の藻類、多細胞の海藻類まで合わせると3万種もいる生物の一つの群なのです m051
 
3万種の藻類は(大きく図のように分類されています)、ユーグレナ植物門、クロララクニオン植物門、緑色植物門、原核緑色植物門、藍色植物門、紅色植物門、灰色植物門、クリプト植物門、黄色植物門、ハプト植物門、渦鞭毛植物門となっています。
 

共通しているのは、水中に生息し、光合成を行うところです。ポイントは太陽エネルギーで炭酸ガスと水からブドウ糖を生成し生きています。
光合成で生成したブドウ類は、細胞内に貯蔵されます。この貯蔵はブドウ糖を数百、数千とつないだ「デンプン」や「ラミナラン」という物質で貯蔵されます。デンプンやラミナランは、ブドウ糖が構成ユニットなので糖類と呼ばれます。
上の図にもあるように、全ての「門」で貯蔵物質は糖類です。
しかし、3万種もいる中で極々わずかな種の中に油脂成分を貯蔵する藻類がいたのです。
 
藻類はアオコの大量発生や赤潮発生というように条件が整えば爆発的に増殖する生物であり、この大増殖力を持った藻類が鉱物油に代わる油(油脂成分)を大量に生成してくれないだろうかというところに、注目が集まっているのです。

m059 参考データ:筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室 藻類画像データ
 
 
m147 3.藻類の中で油脂成分を生成・蓄積する二つのタイプ m146
 
次に、藻類がなぜ体内に油脂成分を生成するかを考えてみたいとおもいます。
日本の藻類研究でも先端を走る研究機関からの二つの報告です。
(一つは、細胞外分泌タイプです。もう一つは細胞内貯蔵タイプです。)
  
①ボトリオコッカス ~体外に油を分泌する事例 筑波大学渡邊真氏の研究~
 
「ボトリオコッカス」は、生産した油脂を自身の細胞のまわりに付着させる習性があります。

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写真はココからお借りしました♪

ボトリオコッカスは、生産した油を自分の細胞のまわりに付着させる習性がある。筑波大の彼谷(か・や)邦光・特任教授は、この油には「浮輪」のような役目があるとみている。 「油をため込むと、浮力が高まる。光合成をしやすい水面近くにとどまるための、戦略の一つだと考えられる」
  浮遊のための物質説です。
微生物的な単細胞の藻ですが、淡水中で、集合してコロニーをつくって生育し、そのコロニーの細胞間に大量の油分(炭化水素)を保持しています。この油は、もともとオイルシェールとか、スマトラの原油とか、化石燃料の成因のひとつになったものだそうです。                                                                  m059 参考データ:APEX代表理事のブログ

群体(コロニー)を形成するために油脂を身の回りに形成することで、周囲の仲間とつながるために油脂形成を分泌していると解釈できます。
コロニー接着説です。
 
m059 参考データ:藻類の力でCO2を排出削減を実現する 
m059 参考データ:「石油」を生む藻類 人類を救うか


②シュードコリシスチス エリプソイディア ~体内に油を貯える事例 慶応大学伊東卓朗氏の研究~
 
「シュードコリシスチス エリプソイディア」は、生産した油脂を自身の体内に蓄積させる習性があります。
12.jpg

↑黄色く光る部分 m034 が油脂を貯めこんでる箇所です。
写真はココからお借りしました♪

藻類が栄養欠乏状態で脂質を蓄積する理由を明らかにする事は難しいですが、一つの推測としては、環境が回復したときに再増殖するためのエネルギーとして脂質を貯めるのではないかと考えています。無機栄養を取り込めなくなった時点で増殖できないことを感知し、増殖をやめ、代謝活性を落とし始める。しかし光が当たっている限りは光合成をやめることはできない。増殖をやめたことで光合成から得たエネルギーが余ってくるので、生き返るためのエネルギーとして脂質に振り替えているのではないでしょうか。植物によってはデンプンとしてエネルギーを蓄える種もありますが、脂質として蓄えるメリットは、脂質のほうがエネルギーを取り出しやすいからだと思われます。とはいえ、この推測は人間が意味を与えただけで、藻にとっての脂質を蓄える理由は「それが種を絶やさずに生存し続けるのに都合が良かった」ということに尽きるのではないでしょうか。                                                                m059 参考データ:【研究者インタビュー】先端生命科学研究所伊東卓朗研究員
  飢餓に備えた貯蔵説ですね。   ごく稀にいる、油脂成分を多量に持つ藻類にも二つのタイプがあるのです。   現在、この二つのタイプ、それぞれについて意欲的に研究が行われています。   次回は、藻類の中で油脂を貯蔵する藻類は、なぜ極々僅かなのか、地上性植物も視野に入れてみてみます m049  

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comments

ほ~!
藻類にもいろいろあって、そのなかで油脂を溜め込む藻類があるのか?
面白い!

この藻類からの油脂が、エネルギー源としての可能性があるのか、楽しみにしています♪

それと、なんで、藻類が油脂を溜め込む戦略をとったのか、その置かれた時代の環境も気になりますね。

  • ヘンプヒルズ 2010年03月01日 17:58

藻類とは、コケ植物、シダ植物、種子植物という「陸上植物を除いた光合成を行う全ての生物」を指しており、昆布やワカメのような大型の海藻から、クロレラやミドリムシのような単細胞の小さな種類まで含まれるようですね。

生命進化の最も初期に出現して、地球上に酸素を作り出したのも藍藻の仲間で、それ以降、大きく変わる外圧に適応して様々な種が出現したということなのでしょう。

  • mamayo 2010年03月02日 23:11

確かに、陸上植物では、人間が植物油として取り出して利用しているように、油脂成分を生成、貯蔵しているものは、多いようですが、藻では、極僅か。それが、何を意味するのか、興味深いです。続きを楽しみにしています。

  • naganobu 2010年03月04日 23:01

ヘンプヒルズさんコメントありがとうございます!
これからさらに藻類の可能性を探っていくのでお楽しみに!
藻類がなぜ油脂を貯めこむようになったかの外圧には、まだ謎も多いのですが、これも引き続き追及して行きますね!

  • egisi 2010年03月05日 23:48

Mamayoさんコメントありがとうございます!
>生命進化の最も初期に出現して、地球上に酸素を作り出したのも藍藻の仲間で、それ以降、大きく変わる外圧に適応して様々な種が出現したということなのでしょう。

そうですね!
「大きく変わる外圧に適応」。具体的にどんな外圧だったのでしょうね。
これから藻類の可能性を追求していく中で、大きなポイントだとおもいます。
また気付きがあったら、一緒に追及して行きましょう!

  • egisi 2010年03月05日 23:56

Naganobuさん、コメントありがとうございます!
>藻では、極僅か。それが、何を意味するのか、興味深いです。
確かにそうですね!

今後、藻と地上で油脂をつくる植物についても追求していくのお楽しみに!

  • egisi 2010年03月06日 00:06

藻から油、驚きですね。浮遊するため、あるいは、コロニーを形成する為の油説。なるほど、と思う一方で、そうなら他にも油を分泌すつるタイプがたくさんいてもよさそう。もっと、追求して見たくなりますね。

  • fwz2 2010年03月06日 22:21

fwz2さん、コメントありがとうございます。

>なるほど、と思う一方で、そうなら他にも油を分泌すつるタイプがたくさんいてもよさそう。もっと、追求して見たくなりますね。

そうですね!
これからも、藻がなぜ油脂を生成するようになったかの外圧状況にも迫りたいとおもうので、応援よろしくお願いします!

  • egisi 2010年03月08日 15:00
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