2010年06月19日
『マグネシウムエネルギーは次代のエネルギーになり得るか?第5回~太陽光励起レーザーの可能性』
こんにちは
『マグネシウムエネルギーは次代のエネルギーになり得るか?』の第5回です
今回のテーマは 『太陽光励起レーザーの可能性』
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マグネシウムを海水から精錬する、また、一度使ったマグネシウムを繰り返し利用できるようにする。そのためのマグネシウムの還元には、大量のエネルギーを必要とします。つまりそれは、既存の精錬方法では、石油や石炭を相変わらず大量消費しなければいけないということ。(詳しくはこちらを参照。)そうなると、マグネシウムエネルギー社会の実現は遠のいてしまいますよね・・・
そこで登場するのが“太陽光励起レーザー”。
まだ実用化には至っていない太陽光励起レーザーですが、実はこの仕組み、植物がエネルギーをつくりだすのと同じ原理をもっているんです!つまり自然の摂理に則っているということ。
さて、太陽光励起レーザーが“植物と同じ原理を持っている”って一体どういうことなんでしょうか???
今回は太陽光励起レーザーの本質の部分に迫ってみましょう
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太陽のエネルギー
太陽から宇宙空間に放出されているエネルギーははるかに膨大で、地球に来ているのはそのたった20億分の1と言われています。そして太陽光エネルギーは地球にさんさんとふりそそいでいるわけですが、全放出量の20億分の1と言えど、その量は42兆kcal/秒。想像をはるかに超えていますね。もしも地球に降り注いでいる太陽エネルギーを全て100%変換できたとしたら、世界の年間消費エネルギーをわずか1時間でまかなえると言います。しかし実際は、人間が直接利用できるエネルギーになるのは、そのうちのほんのごくわずか。太陽から地球に降り注ぐとてつもないエネルギー、もっと効率的に利用できたら・・・と思いますよね☆
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○植物と同じ原理??~生命原理と熱力学の第2法則~
太陽光励起レーザー、もちろんその技術自体も注目すべきところですが、何よりもこの技術が優れているのは、植物がエネルギーをつくりだす仕組みと同じ原理で、エネルギーを生み出せる、ということ。・・・それって一体どういうことなんでしょうか?
まず、ここで、物理現象の法則、熱力学の第2法則をおさえておきましょう。
・熱力学の第2法則
熱力学の第2法則は、様々な表現がされますが、少々難しい言い方をすれば、「エントロピーは高密度から低密度に移行する不可逆なものである」ということ。言ってしまえば、水は自然状態では沸騰しない、冷めた水はお湯には戻らないということです。(エントロピー: 無秩序の程度を示す尺度)ここで、図をご覧ください。
インク1滴を粒のあつまりと想像して下さい。そのインク1滴には濃密にエネルギーがたくわえられています。しかし、コップ1杯の水にそれをたらすと、どうなるでしょうか。インクは瞬く間に拡散して、インクを構成していた粒はふわあ~と広がっていきますね。これが物理現象の法則、物質が高密度から低密度へ移行してゆくモデルです。
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・生命原理と熱力学の第2法則
一方で植物原理ですが、植物がエネルギーをつくりだす仕組みと言えば、そう、光合成です。緑色植物は二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から、デンプンなど炭水化物を合成して、酸素(O2)も放出するんでしたね。ふわあと広がって降り注いでくる薄く拡散した太陽光エネルギーを体内で高密度な化学エネルギーに変換します。熱力学の第2法則には逆行しているのがおわかりでしょう。
上の図でみると、上から下へと移行する一本矢印が物理現象、下から上へと収束している二本矢印が植物原理にみる生命原理です。(動物も体内に摂取した物質を変形させて様々なエネルギー源をつくる。例えばリンの高密度化など。)
ここでポイント!
物理現象においてエネルギーは高密度→低密度、しかし生命原理では低密度→高密度
さて、太陽光励起レーザーですが、これは太陽光という薄く広がるエネルギーを集中させて一気に高密度なエネルギーをつくりだす仕組み。つまり、植物が太陽光エネルギーから直接高密度なエネルギーつくりだすのと同じ原理です。太陽光励起レーザーの仕組みは、生命原理に基づいた技術と言えるのではないでしょうか。この点において、太陽光励起レーザー、可能性を感じさせますね。
○太陽光励起レーザーのさらなる可能性
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かわいいイラストはこちらのサイトからお借りしています
石油や石炭などの化石燃料は、太陽のエネルギーを糧に生きた動植物の死骸が非常に長い年月で堆積、加圧された高密度なエネルギー(それゆえに限りあるエネルギー)であり、それを人類が現代という一瞬で使おうとしているため、資源枯渇や環境負荷の問題が出てきます。一方、太陽光励起レーザーは、太陽光というほぼ無限に近いエネルギー源を資源とし、また、その時点でのエネルギーを集中させて利用するだけなので、環境負荷が大きくなるということも考えにくいでしょう。(この点においてはまだ検証の余地がありますが。)
以上の特徴に加え、太陽光励起レーザーは、かつての動植物の生命活動に依存してきたわたしたちが、高密度・高効率なエネルギーを、植物と同じように自らで直接つくりだせる、利用できる、そういう可能性を開いてくれる技術なんです。
○次回は・・・
以上見てきたように、太陽光励起レーザーの原理や発想には、可能性が感じられるところがあります。ただし、これが実現可能か否かの判断を下すには、まだまだ検証が必要。
次回以降は具体的に
1.太陽光励起レーザーはどのように高密度なエネルギーをつくるのか。
2.つくった高密度なエネルギーでどのようにマグネシウムを還元するのか。
3.太陽光励起レーザーには本当に無駄がない?廃熱や維持管理の問題はどうなる?(レアメタルの資源確保や、太陽光励起レーザーを維持するのに大量のエネルギーを投入することにならないの?)
などなどの疑問を扱っていきたいと思います。
乞うご期待ください☆
- by shimaco
- at 12:20

comments
2回ほど廃熱の有効利用を書き込んだのは、赤外線の収束利用が最も現実的だと考えたからです。
太陽光は多くの波長の光の集合体なので、利用されない波長域の光はロスとなります。
太陽光発電や光合成は可視光域の一部しか使わないので、予めプリズムのような仕組みで分光してからそれぞれの波長の光を収束して利用するプラントを研究する時期が来ています。
一方で瓢箪から駒の言葉どうり、思わぬ発見もありうるので太陽光励起レーザー技術は見守っていきたいと思います。(キモはレーザー変換効率となりますが、都市鉱山の精錬技術に転用可能かと)
シャギ様 さん、コメントありがとうございます^^
前のコメントも拝読しました!
太陽光が多くの波長の集合体であることは理解していましたが
>利用されない波長域の光はロスとなります
また、
>廃熱の有効利用・・・赤外線の収束利用が最も現実的
という視点、わたしには新しかったです(・o・)☆
ありがとうございます。
廃熱は問題にされがちですが、それを利用してしまう手があるんですね。
赤外線の収束利用・・・赤外線をレーザーにするってことですよね。現段階でその技術は可能性が見出されているんですか?媒質如何によっては可能そうですが・・・
>予めプリズムのような仕組みで分光してからそれぞれの波長の光を収束して利用するプラント
この研究、シャギ様さんの考案?それとも実際にどこかですすめられている研究なんですか??
もしよろしければ教えてください^^
図もついていてわかりやすいですー(^ー^)
自然の摂理をしっかりと理解して、それにのっかっていけば、自然の循環の中でうまくやっていけそうですね☆
太陽光って、利用できたらすごいエネルギーになりそうって、みんな思うけど、植物がもうやっていたというのはすごいですね!
とめとさん、コメントありがとうございます*
エネルギーに太陽光を利用するのが自然の循環にフィットとするということは一般的な理解になっていますが、それを高密度化して利用するという方法が、植物のエネルギー産出と同じ原理というのは、なかなか気付かない、おもしろい視点ですよね。人が植物から学び生かせることはたくさんありそうで、わくわくしますね^^
永らくご無沙汰しました。
最近、体調を崩して勤務先の近くに引っ越してネットカフェからの書き込みです。
熱量保存則ではエネルギー総量の不変をあらわしています。
現在、工場などから出される「廃熱」は、仮に80℃の廃熱を幾らかき集めても80℃の廃熱でしかなく、プールや老人ホームの給湯に利用するか、海洋に投棄するしかありません。
「赤外線の収束」は実証されていることではなく、直感的に「可能ではないか?」という想いで書きました。
○内部を鏡面加工した円錐かドーナツ型の蓄熱器を作る
○真空状態に金属イオンを満たし、磁場で赤外線の波長や指向性を付与し
○LED光を加え、レンズで10倍程度に収束させる。
実験装置の仕組はこんなものですが、たぶん誰も「マックスゥエルの悪魔」を召喚する実験はしていないのではないでしょうか?
(数ヶ月前にドイツでレーザーによる冷却現象が報告されていますが、この方法を応用したほうが実現性は高いかもしれません。)
赤外線で殺人光線(レーザー)を作るわけではなく、80℃の廃熱を800℃に収束できる方法があれば、数百気圧のスチームが作れ、再度発電が可能です。
熱から直接発電できるピエゾ素子を組み合わせればより発電効率が高まるでしょう。
現在の高効率発電機はマイクロジェットタービンで、高圧・高速の発電をしていますが、メンテのコストが馬鹿になりません。(加圧水型原発も発電機の低寿命で、運転を休止したり、2系統の発電システムを構築したりで、トータルコストを上げている気がします。)
長く使う恒久インフラは、浄化槽の攪拌モーターのように40~50年ノーメンテで使える仕様が正解だと考えます。
そうなんですかっ^^
わざわざありがとうございます!
そうなんですね、実験装置の仕組みとしてあげていただいた3点。これについてはまだまだこちらも勉強が必要そうです^^;
確かに“赤外線の収束”、直感的には可能な気がしますが、まずは、何がそれを不可能としているのか、そこからちゃんと知識を積み重ねて、可能性がありそうなのかどうなのか、考えてみたいと思います。
ノーメンテ・・・
どんなシステムにおいてその追求は欠かせないですよね。システムのメンテナンスにどれだけコストがかかるのかが、そのシステムの永続性にもかかってくる。
いつも貴重なご意見ありがとうございます!
(ピエゾ素子なんて、初めて聞きました!いろいろ教えて頂けて、ありがたいです~^^)